リプロダクションとは

リプロダクションは、英語を聞いたら、声に出してリピートする通訳訓練方法です。

でも、オウム返しに同じ文章を再生する単純なリピーティングとは異なり、意味が同じであれば違う表現を使っても構いません。スピーキングがある程度できる上級者ほどやりがいがありますね。

通訳訓練の中では難易度の高い類の練習ですが、リスニング日和では一般英語学習者むけに簡単なやり方で進めます。それに、シャドーイング編をしっかりこなした後ならスムーズに出来ますので、シャドーイング編を先に練習するのがオススメです。

でもどっちでも好きな方からでよいです。

リプロダクションの効き目その1 瞬時に英語を理解する力を鍛える

通訳訓練のリプロダクションは、英語を1回聞いただけで情報を正確に聞き取り、理解し、記憶することを目指します。

やってみると分かりますが、漫然と英語を聞くのとは違い、かなりの集中力が必要です。1回聞いて分かったつもりだったのに、いざ再現しようと口を開くと頭が真っ白ということも。

ご安心下さい。

やり方に慣れれば、1回で理解し再現できる技術が身についてきます。というか、それを出来るようにする訓練です。

まずは1文を短く区切ってリピートするところから始め、1文まるごと再現できるようになることを目指しましょう。余力のある方は、1パラグラフ丸ごと、或はそれ以上を目指して!

リプロダクションの効き目その2 スピーキング能力を鍛える

リプロダクションは正しい英語スピーキングを身につけるためにも大変有益な練習です。

ノンネイティブの陥りがちな罠に、”自分で作りだした英語を話す”ということがあります。

”語彙がある、文法も知っている、ならばそれを組み合わせれば英語をしゃべれるはず。” 残念ながら違います。

不自然で奇妙な日本人の英語”はこの勘違いから生まれます。カタコト英語はキュートですが、皆様、そこを目指してはいませんよね?

リプロダクションでは、ネイティブ英語をそのまま覚えることが出来ます。リピーティングではないので、オウム返しにする必要はないのですが、正しい英語、ナチュラルな英語を話せているか自信のない方は、是非、スピーカーが話している通りの表現でリプロダクションをして下さい。

リスニング日和ではPUBLIC SPEAKINGの訓練を受けた一流のスピーカーによるネイティブ英語音声を厳選していますので、彼らのハイレベルな表現力とスピーキング力をそのまま頂いてしまいましょう。

リプロダクションの効き目その3 理解と記憶の力を鍛える

リプロダクションを行うには、英語のスピーキング能力に加えて、英語の内容をよく理解していないとできません(逆によく理解できていれば、どんなに長いパラグラフでも再現できます)。集中して英語を聞き、深く理解し、さらにそれを自分で声に出して再現することでさらに深い理解になる。文章全体の要旨や詳細な要素に至るまでを、確実に掌握する力を伸ばすことになります。これは通訳に欠かせない能力の1つなのですが、一般の英語学習者にも大いに役に立つはずです。

最後に。

リプロダクションをしていると、音声素材の内容を覚えてしまうので、初見リスニングに何か役立つことがあるのか、疑問が生まれるかもしれません。

いやいや。逆にそこに意味があるのです。

既知の内容の音声素材でリプロダクションを繰り返すと、繰り返すほどに構文理解が進み、長い文章を頭ごなしに理解することに慣れていきます。

毎回初見しかやらず当たって砕けて逃げることを繰り返していては、非効率的です。

通訳学校でも、初級者は短文練習を繰り返しながら、徐々に長文、そして1パラグラフ(さらにそれ以上)のリプロダクション、そして実際の通訳練習へとつなげていきます。

面倒くさいイライラする練習ではあります。挫折しないように、始めは短く切って、徐々に長い文章へ、と楽しくできる範囲でやってみてくださいね。

リスニング日和でリスニング習慣、頑張ってください!