シャドーイング編

no.19シャドーイング編 アントニー・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所所長 Briefing by Anthony Fauci, the White House Top Infectious Disease Expert

こんにちは!本日もリスニング日和ですね!

今回のリスニング日和は、米トランプ政権の新型コロナウィルス対策タスクフォース記者会見で壇上に立った、ファウチ国立アレルギー感染症研究所所長の発言です。トランプ大統領が変なことを言うと、直後に“それは違う”とさりげなく訂正を入れることで有名ですが、今回トレーニングに使用する音声はメディア出演時にまたトランプ大統領を否定するような発言をしたことについての釈明です。「もっと早く動けば死者が少なくなっていた」と話したことが“ファウチが大統領批判!”と報じられてしまい、立場がまずくなっていました。79歳と高齢ながら、分かりやすい説明とカクシャクとしたしゃべりで国民からの信頼を集めています。話言葉なので文章が色々散らかってはいます。スクリプトを読むだけでは分かりにくいですが、音声を聞くことで意味が伝わると思います。何度も聞いてネイティブ英語のリズム、自然な言葉運びを覚えてください!

ネイティブ英語の聞き取りを強化するシャドーイング編。<一語一句精密に聞きとる力>を鍛えましょう。単語1つ1つをセパレートして聞きとれるようになったら成長を実感できるはず。

<1回聞いただけで瞬時に理解する力>を鍛えるリプロダクション編はこちら

準備:ヘッドホンをつける。自分の声を録音するレコーダー。 (英文スクリプトと日本語訳は一番最後にあります。必要に応じプリントアウトをして下さい。)

①First Shadowing

英語音声を再生し、スクリプトは見ず、聞こえてきた音をしっかり声を出して正確に発音する。腕試しです。ここではまだ自分の声を録音する必要はありません。

シャドーイングの詳しい説明はこちら

②Transcript Check

英文スクリプトを見ながら英語音声を聞き、内容を確認する。

③Trial Shadowing & Performance Check 

英語音声を再生し、スクリプトは見ないで再度シャドーイング。聞こえてきた音をしっかり声を出して正確に発音する。しっかり発音できているか、抜けている音はないか、聞きとれていない箇所はないか、確認するため、自分の声を録音しておき、スクリプトと照らし合わせてチェックする。

④Training Shadowing ここが一番重要!

③で正確に発音できなかった部分を再度練習する。必要ならスクリプトを見ながらシャドーイングして、最終的にスクリプトを見ないでもついていけるまで練習する。自分の声を録音して確認する。

と、ここまで言っても、ご自身の声の録音をしっかり確認していない方がいらっしゃいます(してる方はすみません)。単語が抜けていないか、しっかり発言できているか、何より自然な英語が話せているか、チェックしてくださいね。シャドーイングという訓練は、原文とぴったりこ同じように発音できていないと頑張った割に効果がでない、骨折り損のくたびれ儲けな作業になってしまうのです。

⑤Final Shadowing 

仕上げのシャドーイング。英語音声を再生し、スクリプトは見ないでシャドーイングする。録音した自分のパフォーマンスを再生しチェックする。

いかがでしたか?一時期ファウチさんが会見に出なかったことがあり、ご本人はデータ分析で忙しかっただけなのですが、大統領に嫌われたんだと噂になりました。程なく表にまた出てきて“トランプに射殺されたって噂が立ったけど違うよ”と話していました。

リプロダクション編はこちら!

リスニング日和でリスニング習慣、頑張ってください! 以下、スクリプトと抄訳です。

The other point I wanted to make is that I had an interview yesterday that I was asked a hypothetical question. And hypothetical questions sometimes can get you into some difficulty because it’s what “would have” or “could have.”  

The nature of the hypothetical question was: If, in fact, we had mitigated earlier, could lives have been saved? And the answer to my question was, as I always do — and I’m doing right now — perfectly honestly say, “yes.” I mean, obviously. If you — mitigation helps.

I’ve been up here many times telling you that mitigation works. So if mitigation works, and you instigated and — you initiated earlier, you will probably have saved more lives. If you initiated it later, you probably would have lost more lives, if you initiated at a certain time.

That was taken as a way that maybe, somehow, something was at fault here. So let me tell you from my experience — and I can only speak from my own experience — is that we had been talking, before any meetings that we had, about the pros and the cons, the effectiveness or not, of strong mitigations. So discussions were going on mostly among the medical people about what that would mean.

The first and only time that Dr. Birx and I went in and formally made a recommendation to the President to actually have a, quote, “shutdown” in the sense of — not really “shutdown” but to really have strong mitigation, we discussed it. Obviously, there would be concern by some that, in fact, that might have some negative consequences. Nonetheless, the President listened to the recommendation and went to the mitigation.

But, clearly, as happens all the time, there were interpretations of that response to a hypothetical question that I just thought it would be very nice for me to clarify because I didn’t have the chance to clarify.

Q In this interview, you said there was pushback.

DR. FAUCI: Yeah.

Q Where did that pushback come from?

DR. FAUCI: No, it wasn’t — that was the wrong choice of words. You know what it was? When people discuss, not necessarily in front of the President — when people discuss, they say, “Well, you know, this is going to have maybe a harmful effect on this or on that.” So it was a poor choice of words. There wasn’t anybody saying, “No, you shouldn’t do that.”

Q Are you doing this voluntarily? Or did the President —

DR. FAUCI: No, I’m doing it —

Q — or Vice President ask you to do this?/ DR. FAUCI: Everything I do is voluntarily. Please. Don’t even imply that.

ファウチ所長:もう1点。昨日のインタビューで仮説に基づく質問をされました。仮説、というのは”たられば”でして、厄介な状況を招くことがあります。

それは”もしもっと早く行動制限を実施していればもっと多くの命を救えたのでは?”という質問でした。それに対する私の答えは”イエス”で、今も含めて常にそうしているように率直に答えました。つまり行動規制は意味があるからです。

行動規制の効果については、皆さんに何度もこの場で説明してきました。規制は効果がある、早く開始すればより多くの命が助かる。実施が遅くなれば、ある特定の時期の実施になれば、失う命はおそらくより多くなる。

この発言が”何らかの落ち度があった”と指摘する趣旨になぜか受け取られてしまいました。そこで経験則に基づく話をさせてください。自分の経験に基づいた話しかできませんが。我々の間では(正式なタスクフォースの)会合開催の前から、厳しい行動制限の長所短所、効果の有無について論じられてきました。主に医療関係者の間で行動制限の意味について議論が進んでいました。

ブリックス博士と私が正式に大統領に行動規制を進言したのは1度切りです。いわゆる”シャットダウン(封鎖)”とは違うけれども厳格な行動規制という意味でのシャットダウンをするべきであると。当然、悪影響を懸念する意見は一部からあるであろうと。しかし大統領は我々の助言に耳を傾け、行動規制に踏み切りました。

例によって、メディアでの仮説に基づいた質問に対する私の答えが(大統領批判と)解釈されました。ゆえに自分の言葉で説明をするのがよいと考えました。説明をする機会がありませんでしたので。

記者:インタビューの中で”(行動規制すべきとの主張に対し)抵抗があった”とおっしゃっていましたが、どこからの抵抗ですか?

ファウチ所長:そういうことではないです。言葉の選び方が悪かったですね。話し合いの場では、大統領が在席でない時も含め、これは悪影響がある、それも欠点がある、という感じの話が出るものですよね。なので(抵抗という)言葉が悪かった。特定の人が”だめだ、やるべきでない”と反対したわけではありません。

記者:ご自身の意思で話してます?大統領か副大統領に指示されました?

ファウチ所長:いえ。すべては自分の意思で話しています。お願いだから、それを言わないでくださいよ。

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